「毒」がなくてはつまらない  「蜜」がなくては諭しめない  「骨」がなくては意味がない
「毒」がなくては詰まらない 「蜜」がなくては愉しめない 「骨」がなくては意味がない
LEADERS NOTE
「毒」がなくては詰まらない 「蜜」がなくては愉しめない 「骨」がなくては意味がない

【2012年3月16日 朝日新聞夕刊(九州版)より】


少年よ、成功物語描け
福岡の「大ぼら先生」半世紀の教え、本に

「どのような生徒も、自分の将来に希望を持つことができれば、驚くべき才能を発揮する」。元福岡県立高校教師の瀬口俊光さんさん(71)=同県那珂川町=が長年の指導のコツをまとめ、「大ぼら先生の感動ノート」として出版した。 「子どもたちに、自分を主人公にした物語を書かせよう」と持論を展開する。過去や現在を振り返りつつ、未来をどのように生きるか素晴らしい物語を創作することで、それを実現させる意欲がわくという。
瀬口さんは1963年から38年間、香椎、筑紫丘、春日、城南高校で保健体育を教え、陸上競技部を指導してきた。現在は福岡大付属大濠高校陸上競技部の外部コーチ。教室でもグラウンドでも一貫して生徒を「日本一になれる」「世界をめざせる」とほめ、その気にさせて力を引き出してきた。乗せられて、インターハイ(高校総体)のやり投げや三段跳びで優勝した生徒もいるという。そうした指導法から「大ぼら先生」という愛称で慕われる。
本の中では「スパルタ式に叱りつけるのでもなく、甘やかすのでもなく、可能性を認め、明るく豊かな未来を示すことで、生まれ変わり輝き始めることを実感してきた」「子どもたちが大きな夢も持てない背伸びもしない、ほら一つ吹けないでは、日本の未来は淋しい」と説く。
その上で「指導者自身が成果を信じよ」「教え子の夢実現は教師の夢実現」「できない理由を探すなできる理由を探せ」などと50のヒントをつづる。
もとになったのは、十数年前から書いている「いつか使える閃きノート」や「感動日記」だ。
新聞や雑誌の切り抜き、映画や芝居の半券、旅行先の写真、印象深い人の名刺をはり付け、アンダーラインを引き、コメントを書き込む。思い出深い教え子たち、交流のあるスポーツ指導者、記事で読んだ企業経営者、大衆芝居の座長、トルストイ……と多彩な顔ぶれの言葉を収めている。
「日々感動を探そうとすると、好奇心がわき、観察力が鋭くなる」。生徒に夢を持たせるには、まず教師が感動し、伝えることが大切という。後輩教師だけでなく、親や生徒にも感動日記をつけるよう勧める。
自著の出版は2001年の「大ぼら先生の感謝の法則」以来2冊目。「『また本を出す』とほらを吹き続けることで私自身がその気になり、実現しました」。
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