「毒」がなくてはつまらない  「蜜」がなくては諭しめない  「骨」がなくては意味がない
「毒」がなくては詰まらない 「蜜」がなくては愉しめない 「骨」がなくては意味がない
LEADERS NOTE
「毒」がなくては詰まらない 「蜜」がなくては愉しめない 「骨」がなくては意味がない

【2011年10月12日 東京新聞より】


知的障害ある画家 世田谷のAKIさん
大胆な色づかいで描く動物などのペンキ画で評価の高い画家AKI(本名・木下明幸)さん(24)=世田谷区豪 徳寺=が18日から、中央区銀座3のギャラリー「ノア」で個展を開く。東日本大震災後に「生」を強く意識した新作など約30点を展示予定。「何かを感じ とってもらえれば」とAKIさんは願う。 (鈴木学)

幼少時からほとんど言葉を話さず、小学四年の時に軽度の知的障害と判定されたAKIさんは、障害者学級に編入してから好きだった絵に没頭。国内外で受賞を重ね、十五歳ごろからは個展も開催、ミュージシャンらとの共演で即興で絵を描くライブペイントの活動も行っている。

父親の昭さん(51)によると、AKIさんは東日本大震災の余震の恐怖でパニックを起こすなどした。だが、「生きること」への関心が高まり、好きな草食動物とその命を支える植物の共存を意識した絵を描き出したという。新作「共存」も、生命力あふれるヒマワリと、取り巻くシカやキリンなどの優しいまなざしが印象的だ。

また、動物の進化を題材にとり、国立新美術館エイズチャリティー優秀賞を受賞した「トラウマ」など、過去の作品も展示する。「比べると、線や躍動感に成長が見えます。私と同じ立場の人にはぜひみてもらいたい」と昭さんは話す。

個展は二十三日まで。入場無料。二十六日に発売予定の絵本「みつけたのだあれ?」の原画も並べ、絵本の先行発売もする。
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